荒井英治・協奏曲二題

1998/3/20 リゲティ, 1998/4/29 ブルッフ

リゲティ
東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターであるモルゴーア1st Vn.の荒井英治さん。彼が独奏者を務めるリゲティの協奏曲を聴きに東フィルの演奏会に行った。
リゲティ、と言われても・・・。ようやくクラシック音楽の大動脈くらいを辿ったばかりの私としては、全く未知の作曲家である。
----------(この項、続きを書くことを断念しました)----------------
ブルッフ
東京外国語大学管弦楽団の定期演奏会。荒井さんは同楽団のヴァイオリン・トレーナーをされているそうである。本日、荒井さんの演目は「ブルッフ:スコットランド幻想曲」。甘い幻想に流れがちなこの曲を荒井さんがどのように料理するのか、楽しみにしていた。
立派な演奏であった。序奏、荒井さんはオーケストラの合いの手を確かめるかのように弾き出した。そして荒井さん自身もオーケストラものってきた2楽章あたりからが素晴しかった。アマチュア学生オーケストラ相手である、などという考えはこの人には全く無いことに感動した。自分が独奏して君らは伴奏、というのではなく、「協奏曲」である、と考えて演奏していることがありありと伝わってきた。
嘘だと思う人は一度彼の協奏曲を聴いていただきたい。きっと感じると思う。
オーケストラも意気に感じたのであろうか、実に健闘、熱演。
尻上がりに調子をあげて、終楽章まで観客を引き付けて止まない演奏であった。
スロースターター?
別角度から考えると、荒井さん自身がスロースターターなのかもしれないとも思った。
「荒井英治・無伴奏第一夜」の際も、そんな感じがしたものだ。
1曲目のバッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタが、あまりいいとは思えず、がっかりしたのだ。後半のプロコフィエフなどが非常に良かったからこそ、バッハが残念で仕方なかった。次回の「第二夜」は他用があって行けないのが残念であるが、「第三夜」からはまた通うつもりである。できればバッハは、大事に中盤以降に弾いていただきたい、などと愚考するのだが。
いつも全力投球
なんとも、荒井さんは本当にどんな時でも力を抜かず全力投球される方だ。
今回、ブルッフの協奏曲を聴いてその感を強くしたが、さらにアンコールまで演ってくれたのである!余談だが、私の友人の兄の結婚披露宴においても荒井さんがお祝いの演奏を熱演してくれたそうである(^_^;)(花嫁が東フィルのVn.という縁)
閑話休題。アンコールはヴィラ=ロボスの「黒鳥の歌」という曲であった。原曲の編成はどうなのであろうか、ハープとのデュオによる演奏。ヴィラ=ロボスのことだから、原曲はギターソロの曲で、荒井さんの編曲によるものかなどと思う。
いい曲でしたぁ。黒鳥の死に際を描写していると私は感じました。美しく、哀しい曲、最後は消え入るようにディミニエンド・・・、風前の灯火か、ハープが3度、4度高く啼くのだが、また熄んでいく・・・終曲。
またいい曲を1曲、得ました。
後記:
このアンコール曲、後で調べたところ、どうやら「黒鳥」または「黒い白鳥の歌」と一般に呼ばれているVn.とp.のための曲のようです。作曲は1917年。
<了>

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